
4年に一度の冬のオリンピックが今年開催されましたが、その「4年に一度」とサイクルを同じにするのがこのサーモンの大遡上(ビック・ラン)という現象。サーモンの生態には解明されていない部分も多々ありますが、4年に一度、海からBC州の川へ戻ってくるサーモンの群れが例年の4倍にもなり、川が息をのむくらい真っ赤に染められます。
BC州には、サーモンが遡上してくる川が2000本ある、と言われていますが、一番有名なのが、オカナガンエリアにあるアダムス・リバー。無数のサケの群れで川面を真っ赤に埋め尽くされる姿は圧巻です。
アダムス・リバーで生まれたサーモンは、川を下って太平洋へ辿りついたのち、なんと遥か離れた日本付近の海域までも回遊し、4年の歳月をかけて再び生まれたアダムス・リバーに戻ってきます。しかし、孵化したばかりのほとんどの稚魚が最初のステップである太平洋に辿りつくことさえできないと言われ、そこから荒波にもまれ、他の魚やアザラシに捕食されたり人間に捕獲されたりを繰り返し、4年後に生まれた場所に戻ってこられるのは奇跡ともいっていいほどのほんのわずかの個体のみ。しかもやっとの思いで河口に辿りついたサーモンは、500キロ以上の距離を1カ月以上かけ、生まれ故郷を目指し激流を遡ることになるのですが、なんとその間は一切食物を口にしません。
そんな激動の波の中を必死でくぐり抜けて、生まれた場所へ戻ってこようとする真っ赤なサーモンたちの姿に、感動して涙する人も珍しくないといいます。
そして、やっとの思いで戻ってきたサーモンのメスは、そこでベストな環境で産卵するために最後の力を振り絞り、体がぼろぼろになるまで戦い、産卵後、10日ほど卵を守ったあと、生涯を閉じて行くのです。
そして、その死骸が熊の食糧となり、またその食べ残しが森の栄養分となり、豊かなBC州の森林の生態系のサイクルを作っています。さらに、その森の栄養分は雨や土砂に乗って流され、大地を豊かにし、やがて海に流れ戻り、そこで豊かなプランクトンの育成を助けています。そのため、BC州の近海には巨大なタコなども生息しているのです。
サーモン・ランとそれが織りなす壮大なエコシステムに関してはこちら
こんな感動のストーリーのクライマックスが見られるのは4年に一度。みなさんも、自然界の生命の神秘を見届けてみませんか?
※サーモンは種類によってサイクルが異なるので、遡上自体は毎年見ることが可能ですが、「大遡上」は4年に一度です。
◆◇サーモンの大遡上(ビック・ラン)◇◆
【見どころ】アダムス・リバー、ロデリック・ヘイグブラウン州立公園
【行き方】 バンクーバーよりトランスカナダハイウェイを東へ350キロ、車で4時間ほどのカムループスの街から、さらに車で一時間ほど。
【時期】10月
また、車で行くのに自信がない方は、現地発のツアーも出ていますのでこちらもおすすめです。
◇カナダ紅葉狩りと鮭のぼり (10月10日~10月20日限定/JTBInternationalカナダ)
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