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Super. Natural. British Columbia.spacer
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テーマのある旅

とっておきのスポット Exquisite Places

海や森、山など、大自然に恵まれたブリティッシュ・コロンビア州には、ユニークで個性的な“とっておきのスポット”がたくさんあります。大自然や、食文化、土地の人々と触れ合ったり、先住民や伝統文化の歴史を垣間見たり・・・BC州ならではの深い感動を体験してください。
クイーン・シャーロット諸島(ハイダ・グアイ)
Queen Charlotte Islands(Haida Gwaii)
クイーン・シャーロット諸島(ハイダ・グアイ) クイーン・シャーロット諸島は、アラスカとの州境にある大小約150の島で構成されている。樺太北部と同緯度だが、黒潮の影響を受けるため、年間を通じて比較的温暖で雨が多い。杉やモミ、トウヒなどの針葉樹はこの雨によって巨木に育ち、温帯雨林の深い森を作り上げている。ここは野生動物の宝庫であり、森にはクマやシカ、白頭ワシが生息し、川には毎年大量のサケが戻る。海にはアザラシやトドが顔を出し、夏には豊富なプランクトンを求めてオルカ(シャチ)やクジラも北上する。

ここでは、先住民のハイダ族が7000年以上前から定住生活を送っていて、クイーン・シャーロット諸島は、ハイダ族の言葉でハイダ・グアイと呼ばれている。豊富な海からの産物で安定した生活を送っていた彼らは、洗練された工芸技術や繊細で奥の深い伝承文化を育んできた。ロングハウスと呼ばれる住居の前には、トーテムポールが立ち、部族のチーフの栄光を讃えたり、伝承や出来事を記念碑的に刻みこんだり、遺骨を収めたりと、彼らの生活のなかで大きな意味と役割を持っていた。トーテムポールには、クラン(部族・家系)の紋章や、個人のクレスト(守り神)であるクマ、レーブン、カエル、シャチ、イーグル、サーモンなどの動物、あるいは植物や想像上の生き物などが刻まれている。

しかし、ヨーロッパ人が新大陸にやってきてから約100年の間に、天然痘などの病に次々と倒れ、彼らは独自の生活を失い、人口は激減。島の南部の集落は放棄された。

うっそうと茂る森林に覆われた無数の島々、先住民のハイダ族が残したトーテムポールなど、クイーン・シャーロット諸島は特別な空気を持つ神聖な場所ともいえる。
アクセス
バンクーバーからサンドスピット(Sandspit)まで1日1便運航されている定期航空便か、対岸に位置するプリンス・ルパートからフェリーでスキッドゲート(Skidegate)へ入る。南部の国立公園へは、ゾディアック(ゴムボート)、カヤック、水上飛行機のいずれかで巡り、陸路での移動はできない。

> BC Ferries


グアイ・ハアナス国立公園
Gwaii Haanas National Park
グアイ・ハアナス国立公園 南北300kmにわたって点在する群島の、南側3分の1がグアイ・ハアナス国立公園。南端に位置するアンソニー島(スカン・グアイ)のニンステンツと呼ばれる集落址は、1981年に世界文化遺産に登録された。

トーテムポールは、国立公園として保護される以前に盗まれたり、保存のために持ち出されたりして、当時のまま現存している数は少ない。ハイダ族の子孫は別の場所で保存するよりも、彼らの土地で朽ち果てて自然に還ることを望み、わずかに残ったトーテムポールは、あと20年程度の寿命だといわれているが、倒れたトーテムポールや住居の柱には、苔が生え、新しい木が育ち、あるいは土に還り、そこから新たな生命が生まれ、すべてのものは循環している。悠久の時を超えて育った巨樹や苔むした森が生み出す静寂、澄み切った清涼感、神聖さを感じさせるパワーをぜひ体感してみよう。

今では、ほとんど無人のグアイ・ハアナス国立公園だが、夏の間だけ「ウォッチマン」と呼ばれるハイダ族の公園管理者が滞在し、島に数カ所設置された小屋で彼らの遺産を守っている。ここでは、無差別に多くの観光客が訪れることによって、自然や文化環境が破壊されないよう、年間の訪問客数が制限されている。自然の大切さや、共に生きること、そして森の保護意識を共有・共感してもらうため、観光客は国立公園に入る前にオリエンテーションを受けなければならない。そこではハイダ族の文化や精神、それを守るための注意事項などが説明される。

> Gwaii Haanas National Park

ハイダ・ヘリテイジ・センター
Haida Heritage Centre
ハイダ・ヘリテイジ・センター クイーン・シャーロット諸島の一つ、グラハム・アイランドのスキッジゲートに、先住民の歴史と文化を伝える目的で2007年オープン。東京ドームよりも広い敷地には10のロングハウスが建てられ、それぞれがハイダ・グアイ博物館、ギャラリー、カフェ、ギフトショップとして利用されている。また先住民アーティストのビル・リード作のカヌー“ルー・タアス(波を食す者)”を展示したカヌー・ハウスは、ハイダ族の工芸職人に技術を教えるティーチング・センターの役割も果たしており、職人が実際に彫刻をしている様子も見られる。夏季には、ハイダ族のガイドがギャラリーの展示品やトーテムポールの解説する1時間のガイド付きツアーもある。また、国立公園に入る前のオリエンテーションもここで行われている。

> Haida Heritage Centre

ツアー情報
Tour Information
クイーン・シャーロット諸島を巡るには、現地ツアーに参加するのがおすすめだ。当地を知り尽くしたガイドが、当日の天候を勘案しながら、移動ルートや立ち寄り箇所を設定してくれる。ウニ、カニ、エビ、オヒョウ、カサゴ、ムール貝など、新鮮な海の幸が堪能できるのも楽しみの1つ。宿泊はワイルドな小屋かキャンプになるが、自然を間近で体感するには絶好のシチュエーションとなるだろう。

雨が多いエリアなので、悪天候が続く時はしばらくツアーを休止する場合もある。移動手段となるゾディアックやカヤックは、体力的に留意が必要。誰でも参加できる気軽さには多少欠けるが、一生に一度の体験になることは間違いない。日本からも、下記の会社が毎年夏季にツアーを実施しているので、詳細はお問い合わせを。

現地発ツアー会社
> Moresby Explorers
> 日本の旅行会社 風の旅行社
> 西遊旅行
> Ism(イズム)



ソルトスプリング島 Salt Spring Island
ソルトスプリング島 カナダ本土とバンクーバー島の間に点在するガルフ諸島のなかで一番大きな、そして一番人気の島。車で30分程度走れば島の端から端へ行けるほどの大きさで、一周しても2時間ほど。人口一万人の島に年間40-50万人の観光客が訪れ、アーティストが住む島として知られています。エメラルド色の海に囲まれた島では、森や牧草地、山、美しいコーストラインなど、変化に富んだ穏やかな景観と、まさに理想的な“アイランドライフ”が楽しめます。

島を訪れると何より感動するのは、ここに住む人々の温かさ。コミュニティのなかで信頼し合い、助け合って生活しているその姿勢は、観光客にも伝わってきます。世界的なトレンドになっているオーガニックやスローフードも、この島ではとても自然体。スローガン的に声を上げるのではなく、体に良いものを自然に逆らわずにおいしく取り入れようという、素朴でシンプルな食文化が育まれています。

もともと環境保護への意識が高いカナダだが、なかでもソルトスプリング島は保護活動を徹底させています。農地や保護管理地が多く、建物の建築制限も厳しく、1999年には、伐採を始めた業者に反対した住民が、島の10%の土地を買い占めるという運動が起こったほど。住民が一丸となって、土地を愛し、自然を守る姿勢を貫いているのが特徴です。

また、ユニークなのが地域だけで流通している通貨「Salt Spring Island Dollars」の存在もこの島ならでは。地域通貨は、地域の活性化や経済循環を目指して発生することが多いですが、ここでは地域通貨が生まれる前から、マーケットで野菜と焼きたてパンを交換するなど、住民同士がお互いを補いながら、島内で自給自足の生活を送ってきました。その延長線上で生まれた地域通貨は、ここではカナダドルと等価で流通しているのです。

ソルトスプリング島は、人々の優しさや自然の美しさ、そこに根ざす揺るぎない生活の力強さなど、人間が持つ精神的な豊かさを再認識させてくれる、まさにナチュラルアイランドなのです。
アクセス
ビクトリアのスワルツベイ(Swarts Bay)からフルフォートハーバー(Folfort Harbour)までフェリーで35分。バンクーバーのツワッセン(Tsawwassen)からロングハーバー(Long Harbour)まで直行フェリーで85分、また他の島を経由すると2時間半から3時間ほど。(季節によりルートが変更になるので要注意)

> BC Ferries

フェリー到着するターミナル、ガンジス (Ganges)とフルフォード(Fulford)を結ぶバスのサービスはこちらから
> Salt Spring Island Transit System

過ごし方
島にはレンタサイクルやタクシーはないので、小さな島とはいえ島内と巡るにはやはり車が必要となるので、レンタカーやドライバーガイド付きの車を手配するのが一般的。
まずは、島をとりまく景色を高いところから眺めてみよう。
マックスウェル山 ルックアウト(Mt. Maxwell lookout)からは、まさに多島海であるガルフ諸島の雄大な景色を堪能しよう。また、妖精が住んでいるという伝説のあるアースキン山(Mt. Erskine)では、“7つの妖精の扉”を探してみるのも楽しい。そして、島内の33箇所のギャラリーや工房、チーズ工場などを巡るスタジオツアー”Studio Tour”に出発。各33箇所のスポットは、道に番号の立て看板があるので、地図を片手に気ままにドライブ。掘り出し物や食べるのがもったいないくらいのケーキのようなチーズ、おうちの庭にある窯で焼いたまさに手作りのパンなど、旅ごころを掻き立ててくれる。

> Studio Tour の地図


オーガニックファーム
Organic Farm
ソルトスプリング島は、“オーガニックアイランド”または“オーガニックキャピタル”として知られている。島には250近くの農場があり、そのうち80%の農家が、農薬を使わない有機野菜を栽培。カナダでは、生産物を“オーガニック”と認定されるには、とても厳しい規定を守らなければならない。その厳しさゆえ、オーガニックフードの評価は高い。大きく力強い野菜や甘いフルーツは、手間をかけたからこその“特別な”おいしさなのだ。

オーガニックファームの1つ、ウェーブ・ヒル・ファーム(Wave Hill Farm)では、RosalieとMarkの夫妻が、花、フルーツ、ハーブ、野菜、動物など、あらゆるものを栽培・飼育している。暮らし自体もシンプルで、土地で育った木を伐り出して家具にしたり、薪にしてパンを焼いたり、ウッドチップにしたりと、自然から生まれたものはすべて無駄にせず使い切る。もちろん、肥料や動物のエサも、自然のサイクルのなかですべてをまかなっている。

酪農製品
Dairy Products
Salt Spring Island Cheese 牧畜業が盛んなソルトスプリング島では、ラム肉やチーズも有名だ。特に生後5カ月までのラムは、島に吹く潮風をたくさん浴びた牧草を食べて育ち、上質なうえ、生産量が少なく、“幻のラム”として多くの美食家をうならせてきた。

ソルトスプリング・アイランドチーズ(Salt Spring Island Cheese)もおすすめの逸品。ヤギの羊乳を使ったオーガニックチーズは、ハーブやエディブルフラワーが入り、目で楽しめる美しい仕上がりだ。そのほか、ガーリックが入ったソフトチーズなど、見た目も味もパーフェクト。

ジャージー牛のミルクを使用するムーンストラック・オーガニックチーズ(Moonstruck Organic Cheese)もよく知られている。おすすめは、何といっても特製ブルーチーズ。

> Moonstruck Organic Cheese

ワイン
Wine
Salt Spring Vineyards ここ数年、島の温暖な気候を利用して、ワインも作られるようになってきた。ソルトスプリング・ビンヤーズ(Salt Spring Vineyards)では、100%オーガニックにこだわってブドウを栽培。園内に植えられているバラの花は、ブドウのコンパニオンプラントだ。バラはブドウより病気にかかりやすいので、同じ病気を防ぐシグナルになってくれる。

おすすめのワインは、白の“Pinot Gris”。数年前から宿泊と朝食がついたB&Bもオープンした。オーナーの選んだセンスの良いインテリアに囲まれて、くつろぎの滞在を楽しんでみよう。

> Salt Spring Vineyards

アート
Art
Blue Horse Folk Art Gallery 自由な雰囲気とアーティストを大切にする人々に支えられ、画家や作家、彫刻家、陶芸家、ガラス工芸家など多くのアーティストが移住してきた。現在では、アート&クラフトの中心エリアとなっている。

島の中心ガンジス(Ganges)周辺には、島に住むアーティストの作品を数多く扱うショップが立ち並ぶ。また、アーティストの多くは、自身のギャラリーやアトリエを一般公開し、アトリエ巡りが観光客の人気を集めており、ギャラリーのほとんどは住居の一角を利用しているので、彼らの作品とともにライフスタイルに触れることもできる。

そんなギャラリーの1つ、ブルー・ホース・フォーク・アートギャラリー(Blue Horse Folk Art Gallery)では、ご主人のPaulさんによる動物をテーマにした木工作品や絵画、奥さんのAnnによる楽焼の作品を展示している。作品はどれも温かみのある素敵なものばかりだ。

> Blue Horse Folk Art Gallery

ファーマーズマーケット
Farmers Market
Salt Spring Island Saturday Market ソルトスプリング島の夏はたくさんの観光客でいっぱいになり、宿泊もなかなか予約できないほど。特に、4月〜10月の毎週土曜にはファーマーズマーケットが開催され、大勢の人々で賑わう。金曜には、マーケット目当てのクルーザーやヨットが、バンクーバー辺りから続々とマリーナに入港する。

このマーケットには、島内で生産されたあらゆるものが並ぶ。栄養満点で安全な有機野菜やフルーツ、鮮度の高い花、100%ナチュラルの石鹸やラベンダーオイル、有名なオーガニックチーズ、アーティストの作品など。オーガニックファームの生産者や作品を作ったアーティストから、直接購入できることも楽しみの1つ。陶器や木製品、ハンドメイドのジュエリーやキャンドル、ウール製品など、ほかにはないお土産をぜひ探してみよう。

> Salt Spring Island Saturday Market

自然散策
Nature Walk
Nature Walk 島の中心地はガンジス(Ganges)という1kmほどのエリアだが、島自体は車で30分ほど走れば端から端へと行けるほどの大きさなので、少し足を延ばして散策してみるのもおすすめ。

「妖精が住んでいる」という伝説のあるアースキン山(Mt.Erskine)には、隠された7つの妖精の扉が。少々急なハイキングコースだが、地元の人に手掛かりを聞きながらひとつひとつ見つけていくのは、いかにもこの島らしくロマンがあってお勧め。

カヤックツアー
Kayak Tour
Kayak Tour 島でも人気のアウトドア・アクテビティ。気楽に始められる2時間のレッスン付きツアーから、丸一日8時間のツアー、そして数日間のカヤック&キャンプツアーまでと、体力とスキルに合わせて選ぶことができる。

> Island Escapes

水上飛行機で行くグルメサファリツアー
Gourmet Floatplane Safaris
Gourmet Floatplane Safaris 水上飛行機で往復し、島内でグルメサファリをする日帰りツアー。ビクトリアのインナーハーバーから美しいガルフ諸島の島々を眺めながら島に上陸し、夏の間、毎週土曜日に開催されるファーマーズマーケットへ。その他、個人ではなかなか訪れにくい、島で有名なチーズメーカーに立ち寄ったり、ワイナリーでテイスティングを楽しむことができる。さらに世界的に有名な隠れ家的プチホテル、ヘイスティングス・ハウス(Hastings House)でのランチ付き。ヘイスティング・ハウスは1泊400〜900ドルもする部屋が、夏はかなり前から満室になってしまうほどの人気。通常こちらの宿泊客のみに出されるランチを、このツアーでは特別に堪能できる。

ツアー参加者は最大6名という、ゆったり楽しめるこのツアーはお二人でC$999。ヘイスティング・ハウスでのランチはないものの、島内をぐるりと回る観光が付いてお二人でC$885というツアーというのもあるので、マーケットのない土曜日以外ならこちらもおすすめ。

> Pat Bay Air

リゾート
Resort
Hastings House 島内には、B&Bやリゾートホテル、コテージなど、さまざまなタイプの宿泊施設がある。なかでも島を代表するリゾートが、ヘイスティングス・ハウス(Hastings House)。ガンジス湾を見下ろす丘にマナーハウスと英国風のカントリーコテージが点在している。フレンドリーでホスピタリティあふれるスタッフの対応が素晴らしく、それだけでも訪れる価値ありの至福のリゾート。数々の賞を受賞したレストランでは、食材にもこだわった秀逸の創作料理が堪能できる。

島全体の雰囲気と同様、高級ホテルなのに堅苦しくない、そして浮ついた華やかさとは無縁の、真の安らぎと癒しを与えてくれるカナダ屈指のデラックスリゾートだ。

> Hastings House

ー その他の宿泊施設 ー
> Harbor House Hotel

> Wisteria Guest House

> Maple Ridge Cottages

ー その他現地情報はこちらもチェック ー
> ソルトスプリング島観光局



サーモン・ラン
Salmon Run
サーモン・ラン 毎年秋になると産卵のために産まれた川に戻ってくるサーモン。産卵の時期を迎えて体を真っ赤にしたサーモンが、ぼろぼろになりながら新しい命を生み出す姿は、壮絶で感動的だ。

森の中で、老いた樹木が倒れ、朽ち、大地へ還り、そして、そこからまた新しい命が生まれるのと同じように、サーモンの一生は、生態系へ大きな影響を与え、生命の連鎖を生み出している。冬眠前のクマは、遡上するサーモンを獲り川岸を引き摺っていき、頭の後ろから背中にかけての部分を中心に食べる。森の中に運ばれたサーモンの半分以上が食べ残され、森の中におき捨てられる。1頭の熊は、実に700匹ものサーモンを捕らえるといわれているが、このクマ食べ残しは、森にすむ他の動物、鳥、昆虫の食料となり、さらにその残りはキノコや微生物により分解され、土の養分となる。また産卵を終えたサーモンの死骸は川辺に打ち上げられ、その死骸や、それを食料とした鳥の糞を栄養として、微生物やコケなどが発生する。そしてこれを再びサーモンの稚魚が食べ成長する。まさに、死が新しい命に栄養を与えているのだ。

サーモン・ラン そして川は、土砂と一緒に森の養分を海に流し、魚の成育を促すだけでなく、遡上する魚の通り道として生態系の循環を支えている。森の養分は、川や海を富ませ、やがて海の養分が森を育てることになる。こうしたいくつものスパイラルが織り成す自然の営みは、遥か太古から連綿と繰り返されてきた。サーモンという一固体の生命の循環は、そこからつながる地球規模の生命の連鎖と壮大で秀逸なエコシステムを私たちに教えてくれる。

紅鮭は4年に一度、産卵のピーク”ビッグ・ラン(大遡上)”を迎える。トンプソン・オカナガンエリアのアダムスリバーでは、前回の2006年には、なんと450万匹以上ものサーモンが遡上した。次回のビッグ・ランは2010年。
アダムスリバー
Adams River
アダムスリバー BC州にはサーモンが遡上してくる川が2,000本もあるといわれているが、中でもアダムスリバーは大群の遡上する川として知られている。アダムスリバーで産まれた紅鮭(ソッカイサーモン)は、その後太平洋に下り、時には日本近海まで泳ぎ、そして4年の歳月を経て生まれ故郷の川に帰ってくる。海から川に入りいったん遡上を始めると、一切何も食べず、体内に蓄えた栄養だけでアダムスリバーまでの激流を突き進む。そしてバンクーバー空港近くのフレーザーリバーの河口から500km以上、東京〜大阪間にほぼ等しい距離を、約3週間かけて目指すのだ。

勢いよく上流を目指すものもいれば、疲れきって今にも息絶えそうになりながら進んでいく姿もある。さらに水の中には、必死で泳ぐサーモンに混じって、既に死骸となった姿も見える。

1匹のサーモンは、通常1度に4,000〜5,000個の卵を産むとされている。4,000個の卵の中で、無事に孵化して海に出る前1年を過ごすシュスワップレイクまでたどり着けるのが20%(800匹)、その後太平洋までたどり着けるのがその中の25%(200匹)、生まれてから4年後にフレーザーリバーの河口に戻ってこられるのがさらにその5%(10匹)、そして最終的にアダムスリバーにたどり着き、産卵できるのは、たった2匹といわれている。

州立公園には見晴らし台や遊歩道などが完備されていて、浅い小川には赤いサーモンの姿が目の前に見られる。

アクセス:
バンクーバーから飛行機で1時間のカムループスから、車で東へ1時間ほどの場所に位置するロデリックヘイグ州立公園付近が、アダムスリバーの中でもベストビューポイント。