
テーマのある旅
ウォーキング Walking
| 世界でいちばん住みやすいと言われるバンクーバーや、花の街ビクトリアなど、気軽に歩けるルートから、頂上に氷河が輝くウィスラー、ワインの故郷オカナガン、そしてカナダを横断するトランス・カナダ・トレイルまで、BC州には魅力的なハイキングコースが揃っています。 |
バンクーバー
| スタンレー・パーク Stanley Park |
スタンレー公園は、ダウンタウンの西端に突き出した半島状のエリアに広がっている。都市の中にある自然公園としては世界屈指の規模。半島の外周にはシーウォールと呼ばれる整備されたトレイルがめぐらされており、サイクリングやウォーキングのメッカとして市民や観光客に人気がある。公園内には深い木立の間を縫っていくつものトレイルが延びており、野鳥が集まるビーバー・レイクから、本格的な英国風バラ園まで、さまざまな楽しみ方ができる。【ルート】ロスト・ラグーンから左回りに公園外周を周遊。外周のみなら2時間半。途中のトレイルを利用して短縮可能。高低差なし |
| ウエスト・エンド West End |
バンクーバーには、北米に華麗な花を咲かせた“アールデコ”時代の最後を飾る建築物がたくさん残されている。その代表がマリンビル(355 Burrard St.)。この他、グランビルやバラード通り沿いに並ぶ、20世紀初頭の建物を観察しながら、ウエストエンドへ向かう。ここには高層の集合住宅が立ち並び、人口密度ではカナダ屈指。しかし、ビルの谷間のあちこちに19世紀末、ビクトリア王朝やクィーン・アン時代の邸宅や庭園が残されている。街路樹の美しさも印象的。散策の終点は1893年に建てられた優美な邸宅ローデ・ハウス。近くのロブソン・マーケットで新鮮な果物を買って一休みも楽しい。【ルート】スカイトレインのウォーターフロント駅からバークレー・ヘリテージ公園。片道90分。ゆるやかな坂道が数箇所ある程度。 Roedde House > www.roeddehouse.org |
| ポイント・グレイ Point Grey |
カナダ屈指の名門ブリティッシュ・コロンビア大学は、バンクーバー市の西端に位置し、広大なキャンパスには、全長50km以上のトレイルが縦横に続いている。中でも人気があるのはソード・ファーン・トレイルからサリッシュ・トレイルをたどり、海岸沿いに戻る周遊ルート。杉の深い森、驚くほど巨大なシダ類、可憐な野草など、自然観察をしながらのウォーキングに理想的、白頭ワシ、リス、アライグマ、時にはコヨーテなどの野生動物も姿を見せる。典型的なフィヨルドの海岸には、第二次大戦中のトーチカの跡などが残されており、ここからのジョージア海峡の眺めは絶景。【ルート】S.W.マリンドライブのフレーザー記念碑からスタートして周遊。一周5時間(海辺のみ、又は森林部分のみも可能)。やや高低差あり。 アクセス:フレーザー記念碑周辺に駐車場あり。市バスも通っているが、記念碑のすぐ近くには停留所はない。 |
| ウエスト・バンクーバー・シーサイド West Vancouver Seaside |
ウエスト・バンクーバーはカナダで最も高級な住宅街の一つ。海に面した斜面には豪邸が立ち並んでいる。海岸には美しく整備された海浜公園が点在し、それらを結んで歩きやすい遊歩道が作られている。ライオンズゲート・ブリッジや、ダウンタウンの高層ビル街、バラード入江の海が目の前に広がり、落日の素晴らしさは言葉を失うほど。海岸沿いにかなり長距離歩いていくことができるが、適当なところで海岸からマリンドライブの通りに出て、優雅な雰囲気のショッピング・エリアを散策したり、歴史博物館の見学や、カフェなどで一休みするのもおすすめ。 【ルート】ウエスト・バンクーバーのアンブルサイド・パークから海沿いを西へ。片道1時間から1時間半。高低差なし。 アクセス:ダウンタウンから市バスのウエスト・バンクーバー行きバスで約20分。 |
| ディープ・コーブ Deep Cove |
ディープ・コーブは、ノース・バンクーバーの東端に位置する小さな入り江を中心にして広がる小さなコミュニティ。この入り江に続くインディアン・アームは北米大陸で最も南にあるフィヨルドの海岸線だ。トレイルの入口(2505 Panorama Dr.)から一挙に1kmほど登ると、入り江を見下ろす巨大な岩壁の上に出る。そこからは山沿いに深い森の中を進んで行く。巨大なヘリティッジ・ツリーをはじめ、温帯雨林の森林浴を満喫できる。【ルート】ディープ・コーブからバーデンパウエル・トレイルを経由して周遊。一周3時間弱。入口付近で標高差150mほどの登りあり。 アクセス:ディープ・コーブへはシーバスと市バス利用で、ダウンタウンから約1時間。 |
| バーナビー・レイク Burnaby Lake |
バーナビー・レイクは、1万2千年前に氷河が後退して行った後に残された“水溜り”の一つ。周辺は高速道路や工場などに囲まれているが、水辺に出たとたんに静寂に包まれる。水辺にはさまざまな野鳥が遊び、無数の睡蓮が水面に浮かんでいる。トレイルの途中には、湖の自然環境や野鳥、野生動物などについて学べるネイチャー・センターや、怪我をした鳥や動物を保護する施設などもある。また、野鳥の巣を保護する特別区域や温帯雨林の森などもあり、日本では高地でしか見られない野草も多い。自然観察やバードウォッチングを兼ねたウォーキングにおすすめ。【ルート】スカイトレインのスパーリング駅から一周3時間半。湖の北側のみで、プロダクション駅までなら90分。高低差なし。 アクセス:ダウンタウンからスカイトレインで30分。市バスでのアクセスも可能。 |
ビクトリア
| ビーコンヒル公園 Beacon Hill Park |
【ルート】ビーコンヒル公園からモスロックを経由して一周2時間。モスロック周辺で多少登りがあるほかは、標高差ほとんどなし。 |
| ウエスト・ベイ・シーサイド・ウォーク West Bay Seaside Walk |
エンプレス・ホテルの前に広がるインナー・ハーバーの北岸に沿って、ウエスト・ベイ・マリーナを目指す散策ルート。岸辺の緑地帯に良く整備された遊歩道が作られており、フラワーバスケットに彩られた街角や、クラシカルな州議事堂などを見渡しながら、ゆったり潮風といっしょに歩いてみよう。終着点のウエスト・ベイには、ビクトリア名物、地ビールの醸造所兼パブスピネカーズ・パブがあるので、一汗かいた後の一杯もおすすめ。ここから同じルートを戻っても良いが、インナー・ハーバーを行き来している小さな観光船に乗ってみるのもおもしろい。子供の絵本に出てきそうな可愛らしい船と遊びたがっているように、アザラシが近づいて来ることもある。【ルート】往復90分。片道は船を使うことも可能。標高差なし。 |
| 歴史ウォーク Historical Walk |
ビクトリアはBC州の州都。19世紀末の雰囲気を色濃く残した建物がたくさん残されている。開拓時代のビクトリア砦があったバスチョン広場から、1850年代の赤レンガの建物をおしゃれなショッピング・モールに改造したマーケット・スクエアー、人がすれ違えないほど狭い路地があるチャイナタウン、第二帝国様式の市役所など、まるで時間が逆流しているような不思議な雰囲気の街角が続く。街灯はフラワーバスケットが飾られ、あちこちの街角にカラフルな花壇が作られているのも「花の街」ビクトリアならでは。【ルート】ダウンタウンの旧市街地をめぐる。1時間から3時間まで適宜調整可能。標高差なし。 |
| フォート・ロッド・ヒル Fort Rodd Hill |
フォート・ロッド・ヒルはビクトリアのダウンタウンから市バスでアクセスできる場所にあるが、野生の鹿が遊ぶ別天地。もともとは1878年から1956年まで使われていた砦の跡。砲台や兵舎などが残されており、国定史跡に指定されている。砦の周辺はナラや樫、イワナシなどの林の中にトレイルが続いている。海辺に出れば、ブリティッシュ・コロンビア州で最初に建てられ、今も現役のクラシカルな灯台がある。海峡の南側にはオリンピック半島の壮麗な山並みが続き、白頭ワシや青鷺などがゆったりと羽を広げて飛んでいくのを見ることもできるだろう。【ルート】バス停からフォート・ロッド・ヒルへ約20分。公園内のトレイル周遊に90分。高低差ほとんどなし。 アクセス:ダウンタウンから市バス50番、61番などでウエスタン・エクスチェンジ下車。 |
| ギャロッピング・グース・トレイル Galloping Goose Trail |
ギャロッピング・グース・トレイルは、カナダを横断するトランス・カナダ・トレイル(TCT)の西側の起点。このトレイルは、1930年に廃線になった鉄道の跡を整備したもの。かつてここを通っていた列車は振動が激しく、まるでガチョウが鳴きながら走っているようだったことから付けられたニックネームだ。スタート地点はジョンソン橋の西側から。時にはアザラシも顔を出すアッパー・ハーバーの入り江沿いに北へ向かうと、300mも続く木造の構脚橋を渡る。小さな谷間の底を歩き、住宅街を抜けると白鳥の群れが静かに泳ぐ湖が見えてくる。美しいギャリー・オークの林にかこまれたスワン・レイクは、40分ほどで一周でき、バードウォッチングの名所としても知られている。【ルート】ビクトリアのダウンタウンからスワン・レイクへ。片道2時間。スワン・レイクから市バスでダウンタウンへ戻ることができる。高低差なし。 アクセス:スワン・レイクから市バス70番か75番でダウンタウンに戻れる。 |
| ホワン・デ・フーカ・マリン・トレイル Juan de Fuca Marine Trail |
ホワン・デ・フーカ海峡を見渡す海岸線に続く海辺のトレイル。ベテランのハイカー向きのコースなのだが、チャイナ・ビーチ、ソンブリオ・ビーチ、パーキンソン・クリークなどの海岸からトレイルに入れば、ほぼ平坦な道を1時間程度で往復できる。磯辺の岩場にはイソギンチャクやヒトデなどが群生し、ニカル・ビーチは、世界中の海洋動物研究者から注目されまるで宝石箱のようにカラフルだ。特にボタているほど多くの種類の生物を見ることができる。しかし、海岸線は崖が水辺のすぐそばまで迫っているので、満ち潮になると道が水没してしまう。潮の満ち干の情報にくれぐれも注意すること。【ルート】トレイルの全長は47kmあるが、ルートの途中からもアクセス可能。標高差はほとんどなし。 アクセス:市バスでスークまではアクセス可能だが、そこから先は公共交通でのアクセス網はない。 |
ウィスラー
| ピーク・アドベンチャー Peak Adventure |
ゴンドラからリフトに乗り換えて、一挙にウィスラー山の頂上付近まで登っていくピーク・アドベンチャー。標高2400m付近に全長48kmにもわたるトレイルが続いている。目の前には沿岸部山岳地帯の雄大な山々がどこまでも広がり、氷河の輝きやブラックタスクの壮麗な山頂などが眺められる。高山植物を観察しながらゆっくりと歩ける一周90分ほどのルートがおすすめ。【ルート】ルートにより30分から5時間。高低差ほとんど無しのルートから、数百mまで多様。 |
| バレー・トレイルー Valley Trail |
ウィスラー・ビレッジの周辺には、アルファ湖、アルタ湖、グリーン湖など、大小の美しい湖が点在している。バレー・トレイルは、それらを結ぶようにして続いている。美しい山並みはもちろん、深い森や渓流、高山植物や野鳥たちの集まる湿地帯など、変化に富んだ景色を楽しめる。それぞれの湖の湖畔をめぐる短い周遊ルートがいくつもあるので、時間や体力に合わせて組み合わせるとよいだろう。特におすすめなのは、神秘的なロスト・レイクを巡るルート。【ルート】全長20km以上あるが、いくつもの短い周遊ルートに分かれている。高低差はあまりないが、200m程度の高低差がある周遊ルートもある。 |
| ウィスラー・インタプリティブ・フォレスト・トレイル Whistler Interpretive Forest Trail |
営林署が管理する実習林に作られたトレイル。緑濃い温帯雨林の森の中を平行して流れる渓流の音を聴きながら歩く。森林や自然環境、エコシステムなどに関する解説板がところどころに設置されており、実際に森を歩きながら学ぶことができる。めずらしい野鳥や野生動物などに出会う確率も高い。やがて、ロガーズ・レイクへ向かうトレイルとの分かれ道になるが、体力に自信があるなら湖へは向かわず、古い火山の噴火口をめぐるクレーター・リム・トレイルに入り、リッジ・トレイルを経て周遊することもできる。【ルート】一周5時間ぐらいかかるが、ロガーズ・レイクで引き返せば往復3時間。高低差は周遊すれば320mだが、湖で引き返せばあまりない。 |
トランス・カナダ・トレイル
トランス・カナダ・トレイル(TCT)は、カナダの西海岸ブリティッシュ・コロンビア州から、北米の最東端ニューファンドランド州まで、大陸を横断して1万8000kmにわたって続くウォーキング・トレイルだ。現在そのうちの1万キロが整備されており、2010年までにその全行程が開通する予定。完成すれば、「歩く」ことを基本にした世界最長のトレイルとなる。TCTは、大小800以上の都市や町、村を結んで続く。地球の鼓動を感じさせる雄大な自然と調和し、共存していこうとする人々が暮らすコミュニティだ。このトレイルは、カナダで生きる全ての人々の夢であり、世界へ向けてカナダが発する環境保護のメッセージでもある。TCTを歩きながら、地球の未来を考え、大自然が語りかける声にゆったりと耳を傾けてみよう。Trance Canada Trail(TCT)
> www.tctrail.ca
〓 TCT バンクーバー島 Trans Canada Trail Vancouver Island 〓
| ゴールドストリーム州立公園からラングフォード湖 Goldstream Park to Langford Lake |
ゴールドストリーム州立公園は、温帯雨林の森の中を流れる川に、秋になると水の色が変わって見えるほどたくさんの鮭が遡上してくることで有名。公園内だけでも一周30分から3時間ほどのトレイルたくさんがあり、樹齢600年以上の巨木や野草などを観察できる。TCTはこの公園からラングフォードの町へ向かって南下していく。途中の道は生活道路だが、車両の通行は少なく、緑豊かな風景を楽しみながら歩いていける。ラングフォードは、町起こしプロジェクトとしてコミュニティのあちこちに遊歩道を整備していることで人気がある。特にラングフォード湖を巡るエド・ニクソン・トレイルはバードウォッチングの名所として知られ、水鳥を観察する展望エリアや木造のボードウォークなどが湖畔に作られている。【ルート】公園と湖の間は4km程度だが、公園内や湖の周辺の散策を入れて3時間。公園から出発すれば、ほぼ全行程下り坂。200mほどの高低差がある。 アクセス:ダウンタウンから市バス50番や61番で、ラングフォード湖の近くまで行くことができる。(カーロウ&ダンフォード下車) |
| カウチン・バレーのクロフトンからシュメイナス t_walking_cowichanvalley |
カウチン・バレーには、カウチン・セーターなどで知られる先住民の豊かな歴史を背景にしたユニークなコミュニティが点在している。TCTはこれらの町や村を結ぶ鉄道の廃線や海辺の遊歩道などを結んで続いている。ときおりアザラシやトドなどが姿を現すオズボーン湾に面した村クロフトンには、海岸に沿って木造のトレイルが作られており、穏やかな内海から吹く風と一緒にウォーキングを楽しめる。シュメイナスまでは地元の人が利用する生活道路を通っていくので、少々自動車の行き来はあるが、おおむねのんびりと歩くことができる。沿道の人々の暮らしぶりや庭などを眺めながら歩くのも楽しい。シュメイナスは町の建物の壁にコミュニティの歴史をテーマにした壁絵が描かれていることで世界的に知られている。おいしいレストランやカフェなどもあるので、ウォーキング後の一休みにもぴったり。【ルート】クロフトンからシュメイナスまで片道2時間。高低差なし。 アクセス:アイランドリンク・バス・サービスが、ビクトリアからカウチン・バレーの主要コミュニティへ運行している。 Islandlink Bus Services > www.islandlinkbus.com |
★ TCT バンクーバー島の寄り道
| ウォーキングで見つけた小さなワイナリー Small Vineyards |
| カウチン・バレーの主なワイナリーは、ダンカン市の南に広がるコブル・ヒルと呼ばれる丘陵地帯に点在している。なかでも、ワイン通に人気があるのが、ベンチュリ・シュルツ・ビンヤード。ここは予約客のみを受け入れる小さなワイナリーだが、ピノノア種の赤ワインや味わい深い本格的なバルサミコ酢を生産していることで知られている。また、ドイツのワイン造りの伝統を受け継いだブルー・グラウス・ビンヤードも見逃せない。人気があるのは、白ならオルテガ種、赤ならブラック・マスカット種のブドウを使ったもの。 Cowichan Valley Wine(ワイナリーの詳しい情報) > tourismmall.victoria.bc.ca/ aavanisle/cowichan-valley-vineyards.htm Venturi Schulze Vinyards > www.venturischulze.com Blue Grouse Vineyards > www.bluegrousevineyards.com/story.html |
〓 TCT オカナガン Trans Canada Trail Okanagan 〓
| ナラマタからペンティクトン Naramata to Penticton |
ケトル・バレー鉄道(KVR)の廃線跡に作られたケトル・バレー・トレイルのナラマタ地区はシュート・レイクの湖畔からペンティクトンの町まで約40km。そのほとんどが緩やかな下り坂だ。ナラマタは、夢に現れた先住民のお姫様の名前を取って名づけられたと言われる小さなコミュニティ。日当たりの良い斜面にワイン用のブドウ畑やアプリコット、リンゴなどの果樹園が続いている。トレイルはオカナガン湖を見渡す高台を通っており、巨大な岩壁をくりぬいて作られたリトル・トンネルや、深い谷間に掛けられたマックルーチ鉄橋などからの眺めは特にすばらしい。トレイルから通常の道路へ出るアクセスがあちこちにあるので、20軒近く点在する小さなワイナリーに立ち寄ってみるのもおすすめ。【ルート】1時間から3時間程度まで自由に距離をアレンジ可能。高低差はあるが、北側から歩き始めれば全行程緩い下り坂。 |
| サマーランド Summerland |
サマーランドは“世界で最も果物の生育にふさわしい土地の一つ”と言われるほど恵まれた果樹園の王国。春先から初夏にかけて、アプリコットや黄桃、チェリー、リンゴと次々に花が咲き乱れ、コミュニティ全体がうっすらと甘い香りに包まれるほど。ここを通るTCTのルートのハイライトは、トラウト・クリークの深い谷間に掛けられた橋脚。橋から谷底までの高さは73mもあり、橋からの眺めはなかなかスリリング。北米でも、これだけの高さに架けられた橋脚は他にあまり例がないほどだ。なお、この区間はTCTにほぼ平行して、旧KVR鉄道の線路を利用した観光蒸気機関車が運行されおり、非常に人気がある。【ルート】プレーリー駅からトラウト・クリーク鉄橋まで約2時間半。高低差は200m程度だが、西から歩けばほぼ全行程下り坂。 |
★ TCT オカナガンからの寄り道
| ゴールデン・マイル・トレイル Golden Mile Trail |
| オカナガンの南端に近いオリバーは“Wine Capital of Canada”(カナダ・ワインのメッカ)と高らかに宣言している町。この周辺には30近いワイナリーが点在し、それぞれ工夫をこらしたワイン造りで知られている。ゴールデン・マイル・トレイルからは、たおやかな稜線を描くボールディ山やフェアビュー山にいだかれた、オリバーやオソユースのコミュニティ、ワイン用のブドウ畑や果樹園を見渡すことができる。足元には、バターカップやサンフラワーなどの色鮮やかな野草の花畑が続き、秋には白樺の黄葉も美しい。トレイルの終点はオリバーを代表するワイナリーの一つティンホーン・クリーク。試飲コーナーで良く冷えたワインが待っている! Tinhorn Creek > www.tinhorn.com |
| インカミップ・デザート・カルチュラル・センター Nk' Mip Desert Cultural Center |
| ソノラン砂漠はメキシコから米国のアリゾナ周辺にかけて広がる乾燥地帯だ。しかし、この砂漠の本当の北端はカナダ、オカナガンの南端にあたるオソユース。ガラガラ蛇やサボテンが自生するほど乾燥したこの一帯には、インカミップ族の人々が何千年も前から現在まで豊かな歴史を刻んできた。インカミップ・カルチュラル・センターには、このユニークな自然環境と共存してきた人々の知恵を砂漠の中を歩きながら体感できるトレイルが作られている。ここには北米の先住民の手で作られた初のワイナリーもあり、そのユニークな味わいで注目されている。 Nk' Mip Desert Cultural Center > www.nkmipdesert.com |
| オカナガン・ワイン・トイレル Okanagan Wine Trail |
| オカナガン湖の北端に近いバーノンから、米国国境近いオソユースまで、州道97号線に沿って、大小さまざまなワイナリーが続いている。まさにここがカナダのワイン街道だ。春、夏、秋にはワイン・フェスティバルが催され、新種の試飲会から特別ディナーまで、さまざまのイベントが行われる。オカナガン地方のワインはその高い品質で知られているが、特にBC州ワイン協会が品質を認定した“VQA”のラベルのついたものを選ぶのがおすすめだ。また、ペンティクトンにはオカナガンのワインについて詳しい情報を入手できるワインカントリー・ビジターセンターもある。ここには、周辺のワイナリーの代表的ワインも集められており、一箇所で様々なワインを試飲し購入することができる。 |
その他のエリア
| サーモン氷河 Salmon Glacier |
サーモン・グレーシャーはBC州北部、アラスカとの国境近くに広がる壮麗な氷河だ。その規模は北米大陸第5位。鉱山からの産出物を運び出すための道路が作られていて、氷河が流れ出す“源泉”ともいうべき氷原を見渡すところまでアクセスできる。“氷河”とは、まさに凍れる大河であることを、これほどはっきりと気づかせてくれる場所は世界にもあまりない。この氷河を眺めながら崖淵をたどるウォーキングは、一生忘れられない思い出になることだろう。【ルート】展望ポイントまで未舗装道路が続いている。夏でも雪が残っていることが多いので、道路がどこまで開通しているかで歩く距離は違う。標高差ほとんどなし。道路わきの斜面を登ることができる場所もある。 |
| ホット・スプリングス・コーブ Hot Springs Cove |
トフィーノの北東37km、小さな船でしかアクセスできない半島の先端に温泉が湧き出している。海辺の岩場がそのまま露天風呂になっているので、源泉の温度は50度ほどだが、潮の満ち干によって湯船の温度が変わってくるのもおもしろい。ここへたどりつくには、船着場から25分ほど森の中に作られたボードウォークを歩いて行く。ウォーキングの目的地が温泉というのは嬉しいが、帰りはちょっと湯冷めが心配。夏でも、上着は必携だろう。トフィーノから出発するホエール・ウォッチングのツアーには、この温泉に立ち寄る時間を含めているものもある。【ルート】片道約25分。高低差ほとんどなし。 |
| エメラルド・レイク Emerald Lake |
その名前のように、神秘的な色の水をたたえたエメラルド湖は、カナディアン・ロッキーのクートニー国立公園の中でも最も美しい場所のひとつ。2,500mを超える壮大な山並みが静かな湖水に影を映し、大規模な雪崩が森の木々をなぎ倒した跡、巨木の根元に咲く小さな高山植物や瑞々しい苔・シダ類などをながめながら、ゆっくりと湖岸のトレイルを巡っていこう。トレイルの入口に建つエメラルド・レイク・ロッジは、1902年にオープンして以来、“隠れ家”的な高級リゾートとして世界的に知られている。なお、このトレイルは、冬はスノー・シューイングが楽しめる場所としても人気がある。野生動物の足跡を追うなど、冬でも森の中は生き生きとした動物達の活動の場であることを体感できる。【ルート】一周90分。高低差ほとんどなし。 |
| マウント・レベルストーク国立公園&グレーシャー国立公園 Mount Revelstoke NP & Glacier NP |
マウント・レベルストーク国立公園もグレーシャー国立公園も、大陸分水嶺に連なる壮大な山々が続く山岳自然公園だ。ここには何百ものハイキング・ルートがあり、世界中からベテラン・ハイカーたちがやってくる。しかし、一周1時間から1時間半程度の短時間でめぐれるウォーキング・ルートも整備されている。大陸横断道路のトランス・カナダ・ハイウェイをたどりながら、道路わきに設けられた遊歩道を次々と訪れる“トレイル・ホッピング”がおすすめだ。マウント・レベルストークでは、樹齢800年以上の巨大な杉の木の森を歩くジャイアント・シダース・トレイルや、湿地帯に生きる動植物の詳しい解説板が点在するスカンク・キャベッジ・トレイル、グレーシャー国立公園では栂の大木の森を歩くヘムロック・グローブ・トレイルやカナダ太平洋鉄道が最初に敷かれて線路跡をたどる1885トレイルなどで、自然と開拓の歴史に触れるウォーキングが楽しめる。【ルート】一周1縲鰀2時間。どのトレイルも高低差ほとんどなし。 |
スタンレー公園は、ダウンタウンの西端に突き出した半島状のエリアに広がっている。都市の中にある自然公園としては世界屈指の規模。半島の外周にはシーウォールと呼ばれる整備されたトレイルがめぐらされており、サイクリングやウォーキングのメッカとして市民や観光客に人気がある。公園内には深い木立の間を縫っていくつものトレイルが延びており、野鳥が集まるビーバー・レイクから、本格的な英国風バラ園まで、さまざまな楽しみ方ができる。
バンクーバーには、北米に華麗な花を咲かせた“アールデコ”時代の最後を飾る建築物がたくさん残されている。その代表がマリンビル(355 Burrard St.)。この他、グランビルやバラード通り沿いに並ぶ、20世紀初頭の建物を観察しながら、ウエストエンドへ向かう。ここには高層の集合住宅が立ち並び、人口密度ではカナダ屈指。しかし、ビルの谷間のあちこちに19世紀末、ビクトリア王朝やクィーン・アン時代の邸宅や庭園が残されている。街路樹の美しさも印象的。散策の終点は1893年に建てられた優美な邸宅ローデ・ハウス。近くのロブソン・マーケットで新鮮な果物を買って一休みも楽しい。
カナダ屈指の名門ブリティッシュ・コロンビア大学は、バンクーバー市の西端に位置し、広大なキャンパスには、全長50km以上のトレイルが縦横に続いている。中でも人気があるのはソード・ファーン・トレイルからサリッシュ・トレイルをたどり、海岸沿いに戻る周遊ルート。杉の深い森、驚くほど巨大なシダ類、可憐な野草など、自然観察をしながらのウォーキングに理想的、白頭ワシ、リス、アライグマ、時にはコヨーテなどの野生動物も姿を見せる。典型的なフィヨルドの海岸には、第二次大戦中のトーチカの跡などが残されており、ここからのジョージア海峡の眺めは絶景。
ウエスト・バンクーバーはカナダで最も高級な住宅街の一つ。海に面した斜面には豪邸が立ち並んでいる。海岸には美しく整備された海浜公園が点在し、それらを結んで歩きやすい遊歩道が作られている。ライオンズゲート・ブリッジや、ダウンタウンの高層ビル街、バラード入江の海が目の前に広がり、落日の素晴らしさは言葉を失うほど。
ディープ・コーブは、ノース・バンクーバーの東端に位置する小さな入り江を中心にして広がる小さなコミュニティ。この入り江に続くインディアン・アームは北米大陸で最も南にあるフィヨルドの海岸線だ。トレイルの入口(2505 Panorama Dr.)から一挙に1kmほど登ると、入り江を見下ろす巨大な岩壁の上に出る。そこからは山沿いに深い森の中を進んで行く。巨大なヘリティッジ・ツリーをはじめ、温帯雨林の森林浴を満喫できる。
バーナビー・レイクは、1万2千年前に氷河が後退して行った後に残された“水溜り”の一つ。周辺は高速道路や工場などに囲まれているが、水辺に出たとたんに静寂に包まれる。水辺にはさまざまな野鳥が遊び、無数の睡蓮が水面に浮かんでいる。トレイルの途中には、湖の自然環境や野鳥、野生動物などについて学べるネイチャー・センターや、怪我をした鳥や動物を保護する施設などもある。また、野鳥の巣を保護する特別区域や温帯雨林の森などもあり、日本では高地でしか見られない野草も多い。自然観察やバードウォッチングを兼ねたウォーキングにおすすめ。
エンプレス・ホテルの前に広がるインナー・ハーバーの北岸に沿って、ウエスト・ベイ・マリーナを目指す散策ルート。岸辺の緑地帯に良く整備された遊歩道が作られており、フラワーバスケットに彩られた街角や、クラシカルな州議事堂などを見渡しながら、ゆったり潮風といっしょに歩いてみよう。終着点のウエスト・ベイには、ビクトリア名物、地ビールの醸造所兼パブスピネカーズ・パブがあるので、一汗かいた後の一杯もおすすめ。ここから同じルートを戻っても良いが、インナー・ハーバーを行き来している小さな観光船に乗ってみるのもおもしろい。子供の絵本に出てきそうな可愛らしい船と遊びたがっているように、アザラシが近づいて来ることもある。
ビクトリアはBC州の州都。19世紀末の雰囲気を色濃く残した建物がたくさん残されている。開拓時代のビクトリア砦があったバスチョン広場から、1850年代の赤レンガの建物をおしゃれなショッピング・モールに改造したマーケット・スクエアー、人がすれ違えないほど狭い路地があるチャイナタウン、第二帝国様式の市役所など、まるで時間が逆流しているような不思議な雰囲気の街角が続く。街灯はフラワーバスケットが飾られ、あちこちの街角にカラフルな花壇が作られているのも「花の街」ビクトリアならでは。
フォート・ロッド・ヒルはビクトリアのダウンタウンから市バスでアクセスできる場所にあるが、野生の鹿が遊ぶ別天地。もともとは1878年から1956年まで使われていた砦の跡。砲台や兵舎などが残されており、国定史跡に指定されている。砦の周辺はナラや樫、イワナシなどの林の中にトレイルが続いている。海辺に出れば、ブリティッシュ・コロンビア州で最初に建てられ、今も現役のクラシカルな灯台がある。海峡の南側にはオリンピック半島の壮麗な山並みが続き、白頭ワシや青鷺などがゆったりと羽を広げて飛んでいくのを見ることもできるだろう。
ギャロッピング・グース・トレイルは、カナダを横断するトランス・カナダ・トレイル(TCT)の西側の起点。このトレイルは、1930年に廃線になった鉄道の跡を整備したもの。かつてここを通っていた列車は振動が激しく、まるでガチョウが鳴きながら走っているようだったことから付けられたニックネームだ。スタート地点はジョンソン橋の西側から。時にはアザラシも顔を出すアッパー・ハーバーの入り江沿いに北へ向かうと、300mも続く木造の構脚橋を渡る。小さな谷間の底を歩き、住宅街を抜けると白鳥の群れが静かに泳ぐ湖が見えてくる。美しいギャリー・オークの林にかこまれたスワン・レイクは、40分ほどで一周でき、バードウォッチングの名所としても知られている。
ホワン・デ・フーカ海峡を見渡す海岸線に続く海辺のトレイル。ベテランのハイカー向きのコースなのだが、チャイナ・ビーチ、ソンブリオ・ビーチ、パーキンソン・クリークなどの海岸からトレイルに入れば、ほぼ平坦な道を1時間程度で往復できる。磯辺の岩場にはイソギンチャクやヒトデなどが群生し、ニカル・ビーチは、世界中の海洋動物研究者から注目されまるで宝石箱のようにカラフルだ。特にボタているほど多くの種類の生物を見ることができる。しかし、海岸線は崖が水辺のすぐそばまで迫っているので、満ち潮になると道が水没してしまう。潮の満ち干の情報にくれぐれも注意すること。
ゴンドラからリフトに乗り換えて、一挙にウィスラー山の頂上付近まで登っていくピーク・アドベンチャー。標高2400m付近に全長48kmにもわたるトレイルが続いている。目の前には沿岸部山岳地帯の雄大な山々がどこまでも広がり、氷河の輝きやブラックタスクの壮麗な山頂などが眺められる。高山植物を観察しながらゆっくりと歩ける一周90分ほどのルートがおすすめ。
ウィスラー・ビレッジの周辺には、アルファ湖、アルタ湖、グリーン湖など、大小の美しい湖が点在している。バレー・トレイルは、それらを結ぶようにして続いている。美しい山並みはもちろん、深い森や渓流、高山植物や野鳥たちの集まる湿地帯など、変化に富んだ景色を楽しめる。それぞれの湖の湖畔をめぐる短い周遊ルートがいくつもあるので、時間や体力に合わせて組み合わせるとよいだろう。特におすすめなのは、神秘的なロスト・レイクを巡るルート。
営林署が管理する実習林に作られたトレイル。緑濃い温帯雨林の森の中を平行して流れる渓流の音を聴きながら歩く。森林や自然環境、エコシステムなどに関する解説板がところどころに設置されており、実際に森を歩きながら学ぶことができる。めずらしい野鳥や野生動物などに出会う確率も高い。やがて、ロガーズ・レイクへ向かうトレイルとの分かれ道になるが、体力に自信があるなら湖へは向かわず、古い火山の噴火口をめぐるクレーター・リム・トレイルに入り、リッジ・トレイルを経て周遊することもできる。
ゴールドストリーム州立公園は、温帯雨林の森の中を流れる川に、秋になると水の色が変わって見えるほどたくさんの鮭が遡上してくることで有名。公園内だけでも一周30分から3時間ほどのトレイルたくさんがあり、樹齢600年以上の巨木や野草などを観察できる。TCTはこの公園からラングフォードの町へ向かって南下していく。途中の道は生活道路だが、車両の通行は少なく、緑豊かな風景を楽しみながら歩いていける。ラングフォードは、町起こしプロジェクトとしてコミュニティのあちこちに遊歩道を整備していることで人気がある。特にラングフォード湖を巡るエド・ニクソン・トレイルはバードウォッチングの名所として知られ、水鳥を観察する展望エリアや木造のボードウォークなどが湖畔に作られている。
カウチン・バレーには、カウチン・セーターなどで知られる先住民の豊かな歴史を背景にしたユニークなコミュニティが点在している。TCTはこれらの町や村を結ぶ鉄道の廃線や海辺の遊歩道などを結んで続いている。ときおりアザラシやトドなどが姿を現すオズボーン湾に面した村クロフトンには、海岸に沿って木造のトレイルが作られており、穏やかな内海から吹く風と一緒にウォーキングを楽しめる。シュメイナスまでは地元の人が利用する生活道路を通っていくので、少々自動車の行き来はあるが、おおむねのんびりと歩くことができる。沿道の人々の暮らしぶりや庭などを眺めながら歩くのも楽しい。シュメイナスは町の建物の壁にコミュニティの歴史をテーマにした壁絵が描かれていることで世界的に知られている。おいしいレストランやカフェなどもあるので、ウォーキング後の一休みにもぴったり。
ケトル・バレー鉄道(KVR)の廃線跡に作られたケトル・バレー・トレイルのナラマタ地区はシュート・レイクの湖畔からペンティクトンの町まで約40km。そのほとんどが緩やかな下り坂だ。ナラマタは、夢に現れた先住民のお姫様の名前を取って名づけられたと言われる小さなコミュニティ。日当たりの良い斜面にワイン用のブドウ畑やアプリコット、リンゴなどの果樹園が続いている。トレイルはオカナガン湖を見渡す高台を通っており、巨大な岩壁をくりぬいて作られたリトル・トンネルや、深い谷間に掛けられたマックルーチ鉄橋などからの眺めは特にすばらしい。トレイルから通常の道路へ出るアクセスがあちこちにあるので、20軒近く点在する小さなワイナリーに立ち寄ってみるのもおすすめ。
サマーランドは“世界で最も果物の生育にふさわしい土地の一つ”と言われるほど恵まれた果樹園の王国。春先から初夏にかけて、アプリコットや黄桃、チェリー、リンゴと次々に花が咲き乱れ、コミュニティ全体がうっすらと甘い香りに包まれるほど。ここを通るTCTのルートのハイライトは、トラウト・クリークの深い谷間に掛けられた橋脚。橋から谷底までの高さは73mもあり、橋からの眺めはなかなかスリリング。北米でも、これだけの高さに架けられた橋脚は他にあまり例がないほどだ。なお、この区間はTCTにほぼ平行して、旧KVR鉄道の線路を利用した観光蒸気機関車が運行されおり、非常に人気がある。
サーモン・グレーシャーはBC州北部、アラスカとの国境近くに広がる壮麗な氷河だ。その規模は北米大陸第5位。鉱山からの産出物を運び出すための道路が作られていて、氷河が流れ出す“源泉”ともいうべき氷原を見渡すところまでアクセスできる。“氷河”とは、まさに凍れる大河であることを、これほどはっきりと気づかせてくれる場所は世界にもあまりない。この氷河を眺めながら崖淵をたどるウォーキングは、一生忘れられない思い出になることだろう。
トフィーノの北東37km、小さな船でしかアクセスできない半島の先端に温泉が湧き出している。海辺の岩場がそのまま露天風呂になっているので、源泉の温度は50度ほどだが、潮の満ち干によって湯船の温度が変わってくるのもおもしろい。ここへたどりつくには、船着場から25分ほど森の中に作られたボードウォークを歩いて行く。ウォーキングの目的地が温泉というのは嬉しいが、帰りはちょっと湯冷めが心配。夏でも、上着は必携だろう。トフィーノから出発するホエール・ウォッチングのツアーには、この温泉に立ち寄る時間を含めているものもある。
その名前のように、神秘的な色の水をたたえたエメラルド湖は、カナディアン・ロッキーのクートニー国立公園の中でも最も美しい場所のひとつ。2,500mを超える壮大な山並みが静かな湖水に影を映し、大規模な雪崩が森の木々をなぎ倒した跡、巨木の根元に咲く小さな高山植物や瑞々しい苔・シダ類などをながめながら、ゆっくりと湖岸のトレイルを巡っていこう。トレイルの入口に建つエメラルド・レイク・ロッジは、1902年にオープンして以来、“隠れ家”的な高級リゾートとして世界的に知られている。なお、このトレイルは、冬はスノー・シューイングが楽しめる場所としても人気がある。野生動物の足跡を追うなど、冬でも森の中は生き生きとした動物達の活動の場であることを体感できる。
マウント・レベルストーク国立公園もグレーシャー国立公園も、大陸分水嶺に連なる壮大な山々が続く山岳自然公園だ。ここには何百ものハイキング・ルートがあり、世界中からベテラン・ハイカーたちがやってくる。しかし、一周1時間から1時間半程度の短時間でめぐれるウォーキング・ルートも整備されている。大陸横断道路のトランス・カナダ・ハイウェイをたどりながら、道路わきに設けられた遊歩道を次々と訪れる“トレイル・ホッピング”がおすすめだ。マウント・レベルストークでは、樹齢800年以上の巨大な杉の木の森を歩くジャイアント・シダース・トレイルや、湿地帯に生きる動植物の詳しい解説板が点在するスカンク・キャベッジ・トレイル、グレーシャー国立公園では栂の大木の森を歩くヘムロック・グローブ・トレイルやカナダ太平洋鉄道が最初に敷かれて線路跡をたどる1885トレイルなどで、自然と開拓の歴史に触れるウォーキングが楽しめる。